儚さと恋心を歌う和歌

月草に

〈詠み人しらず〉

月草に 衣はすらむ朝露に 濡れての後は うつろひぬとも

私の着物をツユクサの花で摺り染めにしよう。 朝露に濡れ、染色した色がすぐに落ちてしまおうとも。

月草
月草

上の写真が月草です。今は露草と呼ばれます。露草の花は染色に使われていたお花です。

このお花の特徴は、一日花で、朝しか咲きません。日中にはもう萎んでしまいます。

このお花は『儚い』んです。咲くのは朝の少しの時間だけ。

しかも、月草で染色したとしても朝露や雨なんかですぐに色落ちしてしまいます。(今の時代の染色技術のように、防水加工や撥水加工は進歩してないので、染色は水に弱くすぐに色落ちしてしまうのです)

でも月草で私の着物を染めましょう。すぐに色落ちしてしまおうとも。

 つまり。。。

あなたが移ろいやすい人であったとしても、私は貴方色に染まりたい。

と詠っているのです。

 

花の特性と、色落ち、恋心を綺麗にまとめた和歌です。

こんな素敵な和歌をプレゼントに添えてあったらお洒落かもしれないですね。