かく恋む ものとは我も思ひにき 心のうらぞ まさしかりける
『こんな風に恋い焦がれてしまうなんて。そんな気はしていたけど、、、心の中で占った通りだったわ』
この歌は、逢瀬の後に受け取った男性の歌に返した返歌だと思われます。
ちなみに男性の歌の内容は
『吉野の大川のほとりに咲く藤の花の藤波(藤の花房たちが揺れている様子)のように、並にあなたを思っているのでしたら、私はこんなに恋い焦がれましょうか』
という美しい藤の花に女性をたとえ、波と並とをかけて想いを歌にしています。藤の花は女性美を表す花です。古事記には藤の花を女神に贈って求婚したお話もあるくらいです。
『日本人男性は愛情表現をしない』とはいつから生まれた言葉でしょうか。。。というくらい相手の女性を褒め称えております。
そしてこのお手紙にお返事したのが上の歌です。
初めてあった時から恋の予感があって、その通りに恋焦がれているという事ですね。
その時に、こっそり心の中で恋の行方を占っていたんだけど、その占い通りだわ、と伝えております。
相手が藤の花に例えるならこっちは占いでっという粋なやり取り。
心の中で占ったというので、陰陽道などの本格的なものよりかは、もう少しライトで密かな占いなのでしょうかね。
とは言え、このゴミがゴミ箱に入ったら。。。 というのでもなく
夕方、街角に立って通行人の話す言葉で占いをするとか、寝衣を10日間裏返して寝る間に2回以上夢に現れた人と結婚するとか、そう言った類の恋占いなのではないかな、と思います。この時代の貴族はヒマ 時間もあったでしょうし、良くも悪くもたっぷりと恋、していたのでしょうね。
皆さんはそれをうらやましいと思いますか? それとも。。。?
ではまた…