1000年前の憂い

憂い

詠み人知らず

世にふれば ことのはしげきくれ竹の うきふしごとに 鶯ぞなく

『この世に生き長らえてきて、色々と中傷する噂は呉竹の葉のごとく多く、

憂いことのあるたびごとに、悲しんで泣くことである。』

鶯が鳴く、という読み方もありますが、きっと自分が泣いているのでしょうね。

中傷だけに傷ついているのではなく、どこかこの世の『物の道理』というものにやるせなさを感じているようにも感じます。

この歌には『読み人知らず』と書かれており

つまり誰が詠んだのか分かっていない歌なのですが、

皆さんはどんな詠み手を想像しました?

ちなみに当時の平均寿命は30歳前後です。

私は何となく、男性で、30歳くらい。男性が詠んだ歌のようにしか感じられませんでした。

憂い、いつの世も ですね。