熱帯夜が続いてますね。
和歌が盛んに読まれていた平安時代は、地球の『中世温暖期』であったそうで
世界的にも気候が温暖だった時期だそうです。
木の年輪からこの時代の気温は高かったという研究結果もあり
30度を超える真夏日が多い事もあったそうです。
風通しの良い寝殿造りだったとはいえ、やはり着物(夜の衣)で眠る暑い夜は寝苦しいだろうな。。。
という事で
今回は、寝巻きワードから辿り着いた和歌を一首ご紹介したいと思います!有名な和歌ですね
古今和歌集 小野小町
いとせめて 愛しき時はむばたまの 夜の衣を かへしてぞ着る
『あなたに会いたくてたまらない夜は、夜の衣を裏返して着るのです』
(当時は、夜衣を裏返して寝ると、好きな人の夢を見る事ができる、迷信があったそうです。)
これは、
『私、小町は会いたい人に夢で会いたいときはパジャマひっくり返す派』
と宣言しているわけではなくて
この歌には、受け取るお相手、つまり男性がいるので、その方に伝えているんですね。
貴方に会いたいと。
つまりこんな感じでしょうか
『あなたに会いたくてたまらない夜は、夜の衣を裏返して着るのです。
そうすれば好きな人と夢で会えるって聞いたから。本当はそんな子供じみた事、信じてなかったんだけど。でも。。。
それほどまでに、もう貴方はずっと私の元へお出でになさっていないのですよ。
いつになったら貴方は私に会いに来てくれるのかしら。』
と、寂しくて少し拗ねている女性の心も伺える内容なのですね。
この和歌は後世に渡り、この和歌を唱えると思い人が夢に出てくるというお呪い的要素を含んだ和歌として、江戸時代くらいまで詠まれ継がれてきました。
ちなみに、この当時の『モテる人』が、どんな人だったかと言うと
男女問わず、センスの良い歌を詠める人。(=教養のある人)
顔も知らない男女が出会う流れの多くは、塀から女性を覗いたり、素敵な女性がいるらしいなんて噂を聞きつけ
まず男性から恋文を送るのだそうです。
何度か恋文を交換しても、そこに心動く何かが歌から感じ取れなければカップル不成立。
逆に、恋文に心動いたのなら、初対面にして夜を共に過ごす、と言う展開です。
潔いですね。
と言う事で、本日はここまで。
いとせめて 愛しき時はむばたまの 夜の衣を かへしてぞ着る
『あなたに会いたくてたまらない夜は、夜の衣を裏返して着るのです』