胸焦がす恋

胸焦がす恋

小野小町

人にあはむ 月のなきには 思ひおきて むねはしり火に 心やけをり

恋しい人に会う手立てがない時は眠れずに、想いの火がパチパチと胸の中で燃えて、心が焼けてしまうわ。

この歌はこんな掛詞が使われております。

月のなき =   付き(手立て)なき(月が出てから男性は女性の元へ向かいます。月明かりがないときには出向けない事も)

思ひおき = 思いという火が燃えて。(眠られないでいる意)

本日は、才色兼備の歌人、小野小町の、掛詞を巧みに使い、恋心を伝える和歌をご紹介いたしました。