雲間の月明かり

雲間の月明かり

秋分もすぎ、少しづつ秋風の冷たさに、体を丸めて歩くことが多くなってきました。

そんな中でも、ふと夜空を見上げると、そこにある月は秋ならではの格別な美しさで私たちを照らしています。

こうやって何百年、何千年もの間、人々の心をも清らかに照らし続けてきたのでしょう。

今回、ご紹介する和歌は、そんな気持ちをストレートに表した歌。

新古今集 413 左京大夫顕輔

秋風に たなびく雲の 絶え間より もれ出づる月の 影のさやけさ

秋風に雲がたなびき、その絶え間から漏れ出てくる月の光が、何とまぁ明るく清らかなことでしょう。

雲りが続く、どんよりした日々が続いていたとしても

雲の上には常に月も太陽も存在し続けている。

必ず光はさす

そういう事ですね。