1.漢字臨書とは

漢字を臨書するとは、古典法帖や先生のお手本を真似て書くことです。

臨書とは主に3つの意味に分かれています。

  • 形臨・・・字形や用筆を模倣して書く
  • 意臨・・・意図を汲み取り書く
  • 背臨・・・上記を習得し記憶して書くこと

漢字の古典法帖とは、一般的に、中国の東周時代(BC770頃)頃から、唐時代(AC907)くらいまでのものを扱います。

人物でいうと、書聖と称される王羲之や鄭道昭・虞世南・欧陽詢・褚遂良・顔真卿・唐 太宗・智永・孫過庭・懐素など。

日本では奈良時代(710)から室町(1573)くらいまでのものを扱いますが、室町時代にもなると仮名も主流になっているため、漢字臨書の本格的な臨書対象は平安中期くらいまでの古典法帖になると思います。

人物でいうと、光明皇后や三筆と称される空海・嵯峨天皇・橘逸勢。三跡と称される小野道風・藤原佐理・藤原行成。江戸時代ですが、貫名菘翁や良寛も大変人気のある書家です。

書体でいうと、篆書、隷書、草書、楷書、行書です。

これらの法帖を臨書し、その書きぶりや意図を自分のものとする。習得する。

これが漢字臨書学習です。  

2.古典法帖の種類

中国の古典法帖の種類は以下です。

  • 礼器碑
  • 曹全碑
  • 張遷碑
  • 西狭頌
  • 牛橛造像記
  • 張猛龍碑
  • 高貞碑
  • 楽毅論
  • 鄭羲下碑
  • 孔子廟堂碑
  • 九成宮醴泉銘
  • 皇甫誕碑
  • 雁塔聖教序
  • 多宝塔碑
  • 顔氏家廟碑
  • 喪乱帖
  • 孔侍中帖
  • 蘭亭序
  • 枯樹賦
  • 温泉銘
  • 争座位文稿
  • 十七帖
  • 真草千字文
  • 書譜
  • 自叙帖  など

日本の古典法帖の種類は以下です。

  • 那須国造碑
  • 多胡碑
  • 天平写経
  • 楽毅論
  • 風信帖
  • 光定戒牒
  • 伊都内親王願文
  • 屏風土代
  • 白氏詩巻
  • 離洛帖  など

それぞれが本になり出版されています。販売されている場所は、ネット通販サイトはもちろん、書道洋品店、古典を扱う古本屋などに置いてあります。何から手をつけて良いか分からない場合は、講師に相談すると良いでしょう。

3.お稽古の進め方・流れ

お稽古の進め方

書道が初めての方には、1ヶ月間は書道の基礎シートで練習して頂きます。

2ヶ月目からは、他の生徒さんと同じ課題に取り組んで頂きます。

講師が古典法帖を分かりやすくお手本書きしたものと法帖を、会員ページに搭載しますので、それを臨書してください。

漢字古典臨書で1番理想的な学習方法は、「先生のお手本」ではなく、本物の法帖を臨書することです。お手本は参考程度にし、なるべく法帖を見て臨書して行くのが良いです。

経験者の方は、習得したい法帖を臨書していただいても構いません。その際の法帖は各自でご用意して頂きます。

お稽古の流れ

毎月頭に、半紙に4文字のお手本と、実際の法帖がホームページ内の会員ページに掲載されるので、それをダウンロードコピーし、手元左に置いて臨書してください。

その後はプランに沿った添削を行います。

作品を提出される方は、完成作品を写真にとり、毎月の締切日までに言音宛へ送信してください。

4.漢字臨書で必要なお道具

漢字臨書で必要なお道具は以下9点です。

  • 筆(太筆・小筆)
  • 硯(漢字用)
  • 墨液
  • 固形墨
  • 半紙(漢字用)
  • 下敷き
  • 文鎮
  • 水差

お持ち運びをする必要がある方は、この他にケース、筆巻きが必要になります。ご自宅でのお稽古でしたら上記の9点で十分です。筆置きはお好みで、あってもなくてもどちらでも大丈夫です。

お道具選びにお困りでしたら、ぜひ当サロンが厳選しセレクトした漢字臨書書道具セットをご活用ください。

5.お道具の手入れ

〈太筆〉

お手入れが1番大切なのがお筆です。

漢字用のお筆に限って言えばお手入れ次第で、寿命は早くて半年、長くて数十年間持ちます。

使いわおったら、しっかりと墨を落とします。特に根元の方に墨が溜まって固まってしまうと筆割れの原因になったり、毛の質が悪くなってしまいます。固形石鹸を使って優しく洗ってあげても良いでしょう。

洗い終わったら、筆先を尖らすように形を整え、吊るして乾かしておきましょう。

〈小筆〉

穂先を少し下ろして使った小筆は、その使った所だけ墨を落とします。

まず左手のひらに、水を垂らしたティッシュを乗せ、そこに使用した小筆で、字や模様を書くように線を書き、毛についた墨を落とすようにしばらく書き続けます。

ある程度、墨が薄くなってきたら、お手入れ終了です。

あまり神経質に、墨が全くつかなくなるまで繰り返すと、穂を全て下ろしてしまうと言う事になりかねません。

〈固形墨〉

これは墨を擦った後、そのままにしておくのではなく、書き損じた紙ですぐに水分を拭き取りましょう。擦ったまま硯の横などに放置しておくと、固形墨のひび割れの原因になります。

〈硯〉

硯の使用後は速やかに洗いましょう。

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