(男性)『絶えずゆく 飛鳥の河の よどみなば 心あるとや 人のおもはむ』
流れ続ける飛鳥川が淀んでしまうように
通い続けた貴方のもとへと、出向かなくなったなら
僕が心変わりしたと貴方は思ってしまうのでしょうか
(女性)『よど河の よどむと人は 見るらめど 流れてふかき 心あるものを』
見た目には淀んでいる淀川も 川底では流れ止まないように
私の心も奥深くでは 貴方への想いが流れ続けています。
この2首は詠み人が不明で、返歌(贈り合った歌)かどうかも不明ですが、
隣同士に並んでいる和歌なので、ストーリー性を持たせて訳してみました。
以下の歌は性別がどちらともよめるので、男性が女性に贈った歌として訳しています。
〈男性から女性へ〉
『よど河の よどむと人は 見るらめど 流れてふかき 心あるものを』
会いに行く数が減ったと、貴方は思っているかもしれない。
けれど、貴方への想いは淀みなく流れ続けている。
私の心の奥深くで。