今日から9月ですね。9月は長月とも言いますが、他にも
夜がだんだんと長くなる月であることから『夜長月』(よながづき)
降り続く秋雨から『長雨月』(ながめづき)との呼び方もある9月です。
本日は、色々な呼び名があるこの人物の和歌をご紹介したいと思います。
六歌仙・三十六歌仙の1人で、和歌の名手、伊勢物語の主人公モデルとも言われており、平安きってのモテ男!
といえばこの方
在原業平
今ぞ知る くるしきものと 人またむ里をばかれず とふべかりけり
『人を待つという事が本当に苦しい事であるという事が、今になってよく分かった
訪ねてくるはずの男を待っている女のもとへは、絶えず訪うべきであったよ。』
この歌には前置き(詞書)があって、
(餞別の日に待ち合わせをしていたにもかかわらず、友人は現れず深夜になるまで
あちこち知人のもとを歩き回って探すも友人は姿を見せなかった。
そしてこの歌を詠んだ。)
待てども待てども、やって来るはずの友人が来ない、という経験を通して
いつも待つばかりの女性の気持ちが、少し分かった。これからはマメに女性宅へ行くよという歌ですね。
友人に何時間も待たされた経験から、イライラを募らせる、のではなく
今まで自分が女性にしてきた事を、改めて『至らなかった』と我が身を悔い改めようとする誠実で優しい姿勢が、平安きっての『モテる男』と言わしめた理由の一つかもしれませんね。
このエピソードだけ聞くと、理想の男性像ではありますが、この人物についてはたくさん歌がありますので、ゆくゆくご紹介していきたいと思います。
ではまた。