〈詠み人しらず〉
物思いにしている時、幼い子を見て詠んだ歌
今更に なにおひいづらむ 竹のこの うきふししげき 世とはしらずや
『このご時世に、なんの因果で生まれてくるのであろうか。憂いばかりの世の中であるということを知らないとでも言うのか。』
1000年以上前の誰とも分からない人が詠んだ歌です。
平安の世に生まれてくる人
世界大戦中に生まれてくる人
自殺者が多い日本国に生まれてくる人
人は、自らが選んだ時代、場所、環境、人生のレベル設定をして生まれてくる。
挑戦者なんですね!誰しも。
だからこの歌の中の幼子にも大人にだって背負っているもの、それを乗り越えていく強さが十分に備わっていて
哀れむ必要なんてないと思うのです。
この時代には仏教が主流になっているので、死生観についてもある程度の教養はあると思いますが、
詠み手の感情が素直に歌になった作品なのだろうなと想像します。
死生観は人それぞれ。
皆さんは、この和歌について想うことはありますか?
ではまた。