立春を迎え、はや数日が立ちました。
立春を過ぎてから降る雪を『春の雪』と言います。
牡丹雪(大きな雪片が牡丹の花弁のようで)になる事が多く、淡く消えてしまうので『春の淡雪』とも言います。
日本は、雨や雪、風ひとつとっても、呼び名や表現の仕方などがとても多いですよね。情緒豊かな文学であり歌であり、自然の移ろいを繊細に愛でてきた民族である事が良く分かります。
という事で、本日ご紹介する和歌はこちらです。
紀貫之
かすみ立ち 木の芽もはるの雪降れば 花なき里も花ぞ散りける
霞がかり、木の芽も芽吹く春に、春に雪が降るので、まだ花が咲かない里にも、花が散るように見えることよ。
まだ冬から目覚めない木々に雪がふりそそぐと、まるで花が舞い落ちているようだ、という事ですね。
雪の粒が春の日の光に反射して、キラキラと舞い落ちる光景はとても美しいのだろうなと想像します。
春のようでまだ冬で、冬のようでもう春のこの期間だからこそ見られる春の雪
今年は見られるのか
とても楽しみです。